パソコンの夜間モードは目に悪いって本当？ブルーライトの正しい知識とは

「パソコンの画面、なんだか目が疲れるな…」
「夜間モードにしているのに、どうして肩も凝るんだろう？」

在宅でのパソコン作業が増え、ふとそんな風に感じていませんか？

ついつい夜遅くまでパソコンの画面を見てしまい、翌朝「寝ても疲れが取れない…」なんてことも。

そんなとき、「夜間モード」が目に優しいと聞いて設定したものの、「これって本当に効果あるのかな？」「逆に目に悪いって聞いたけど…」と疑問に思う方も少なくありません。

多くの人が夜間モードは目に良いと考えていますが、実は使い方によっては逆効果になってしまう可能性もあるんです。

この記事では、以下の内容について、実体験を交えながら、わかりやすく解説します。

夜間モードをただ漠然と使うのではなく、その仕組みと注意点を理解し、忙しい毎日でも目をいたわる方法を知ることが大切です。

そうすることで、目の疲れや肩こりから解放され、もっと快適に過ごせるはずですよ。

それではパソコンの夜間モードについて詳しくご紹介していきますので、私と同じように在宅で仕事をしている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

そもそも「夜間モード」って何？目に優しい理由を徹底解説

「夜間モード」と聞くと、多くの人が画面が黄色くなるイメージを持つかもしれませんが、その目的は単に色を変えるだけではありません。

私たちのパソコンやスマホの画面から放たれる「ブルーライト」。夜間モードは、このブルーライトを抑えることで、目の負担を減らすことを目指した機能なんです。

ここでは、なぜ夜間モードが目に優しいと言われるのか、その仕組みを分かりやすくお話しします。

夜間モードの最大の効果はブルーライトを抑制すること

夜間モードのいちばんの役割は、画面から出るブルーライトを減らすことです。

ブルーライトは、太陽の光にも含まれている光の一種ですが、パソコンやスマホから発せられる人工的なブルーライトは、私たちの体に様々な影響を与える可能性が指摘されています。

特に、夜になると私たちの体内では、眠りを誘うメラトニンというホルモンが分泌されます。

夜間モードをオンにすると、画面の色が暖色系に変わり、ブルーライトの量がぐっと減ります。

これにより、目の負担が軽くなるだけでなく、特に夜間に使うことで、自然な眠りにつきやすくなることが期待できるんです。

忙しくてつい夜遅くまでパソコンを触ってしまう私たちにとって、この機能は強い味方だといえます。

なぜ夜間モードは目に優しいの？光の性質から解説

夜間モードがなぜ目に優しいのか、もう少し詳しく見ていきましょう。

パソコンやスマホの画面から出る光は、色温度によって青みがかっていたり、暖色系だったりします。

この色温度が高い、つまり青みが強い光は、エネルギーが強く、目の網膜まで届きやすいという特徴があるんです。

特に夜、周囲が暗くなると、私たちの瞳孔は光をより多く取り込もうと大きく開きます。

夜間モードは、この色温度を意図的に低く（暖色系に）設定することで、目の奥まで届く強い光を減らし、光による目の負担を軽減する役割を担っています。

これにより、目の緊張が和らぎ、長時間画面を見ても疲れにくくなる効果が期待できるんです。

夜間モードが「目に悪い」と言われる3つの理由

「夜間モード、いいって聞いたから使ってるけど、なんか逆に目が疲れる気がする…」。そう感じたことはありませんか？

実は、夜間モードは使い方によっては、かえって目に負担をかけてしまうことがあるんです。

ここでは、なぜ夜間モードが「目に悪い」と言われることがあるのか、その3つの理由を、私たちの日常生活に照らし合わせながらお伝えします。

① 画面が暗くなり、かえって目に負担がかかることがある

夜間モードにすると、画面の色がオレンジ色に変わると同時に、画面全体の明るさ（輝度）も少し下がります。

これが、目が疲れる原因になることがあるんです。

例えば、昼間の明るいリビングで夜間モードを使うと、画面が暗すぎて、自然と顔を画面に近づけてしまったり、目を細めて文字を追ってしまったりすることがあります。

このように、目が無理にピントを合わせようとして、目の筋肉に余計な力が入ってしまうんです。

目ががんばりすぎた結果、夕方には目の奥が重く感じたり、ズキズキしたりすることも。

夜間モードは、部屋が暗い場所で使うことを前提とした機能なので、周囲の明るさに合わせて画面の明るさを調節することがとても大切です。

② 色味の変化が、視覚的なストレスになることがある

夜間モードのもう一つの特徴は、画面が暖色系に変わることです。

これはブルーライトを減らすためですが、人によってはこの色味の変化がストレスに感じられることがあります。

特に、デザインや写真の色を正確に見たいときには、この色味の変化が作業の妨げになりがちです。

お子さんの写真を見返したり、おしゃれな雑貨を探したりするときに、「あれ？なんか色が変…？」と感じることもあると思います。

さらに、長時間にわたって黄みがかった画面を見続けると、目がその色に慣れてしまい、夜間モードをオフにしたときに、画面がやけに青白く見えたり、まぶしく感じたりする「色の錯覚」が起きることもあるんです。

色に対する違和感は、知らず知らずのうちに視覚的なストレスをため込んでしまう原因になりかねません。

③ ブルーライト以外の原因（まばたき回数など）を見過ごしがちになる

夜間モードに設定したから「これで安心！」と思って、ついつい長時間続けてパソコン作業をしていませんか？

実は、目の疲れの本当の原因は、ブルーライトだけではありません。

普段は1分間に20回ほどまばたきをしているのに、作業に夢中になっていると、たったの数回に減ってしまうこともあるそうです。

参考：パソコンを長時間使う方 | 参天製薬

まばたきが減ると、目の表面が乾燥して、ドライアイになったり、ゴロゴロとした異物感を感じたりすることがあります。

夜間モードは、このまばたきの回数や目の乾燥を解決する機能ではありません。

「夜間モードを使っているのに目が疲れる」という場合は、ブルーライト以外に根本的な原因が潜んでいる可能性があります。

目の疲れ・肩こりの根本原因はブルーライトだけじゃなかった！

「夜間モードにしているのに、目の疲れが取れないし、肩もガチガチ…」。

もしそう感じているなら、その不調はブルーライトとは別の原因から来ているのかもしれません。

実は、私たちの体は、パソコン作業によってさまざまな影響を受けており、それらが複雑に絡み合って不調を引き起こしています。

ここでは、ブルーライト以外に目の疲れや肩こりを引き起こす、見落としがちな3つの原因について詳しくお話しします。

① 目の疲れの本当の元凶は「目のピント調整筋の酷使」

長時間のパソコン作業は、目のピントを合わせる筋肉「毛様体筋」を休むことなく働かせ続けます。

しかし、パソコンの画面のような近距離を何時間も見続けると、毛様体筋は常に緊張した状態になり、まるで運動後の筋肉痛のように、凝り固まってしまいます。

この状態が続くと、ピントを合わせる力が弱くなり、目がかすんだり、ぼやけて見えたりするようになるんです。

ブルーライトをいくらカットしても、この筋肉の酷使は解決できません。

ときどき遠くを見て目を休ませてあげる「小休憩」が、目の健康を保つためにとても重要です。

② 猫背や前かがみによる「悪い姿勢」が引き起こす肩こり・首こり

「なんだか最近、肩が重いな…」と感じたら、まずはパソコン作業中の姿勢をチェックしてみてください。

画面に集中するあまり、いつの間にか背中が丸まり、首が前に突き出るような「猫背」になっていませんか？

子どもの学校の書類をチェックしているときや、夕食のレシピを調べているときも、無意識のうちに同じ姿勢になっているかもしれません。

この姿勢は、首や肩の筋肉に大きな負担をかけ、血行を悪くします。

この肩こりが、さらに目の奥の神経を圧迫し、目の疲れを悪化させる悪循環につながることも。

正しい姿勢を意識するだけで、目の疲れも肩こりも、ぐっと楽になる可能性があります。

③ 睡眠不足や栄養バランスの偏りなど「生活習慣の乱れ」

目の疲れは、パソコン作業中だけの問題ではありません。

私たちの健康な体は、日々の生活習慣の上に成り立っています。

例えば、毎日の家事や育児で寝る時間が削られ、睡眠不足になっていませんか？

睡眠は、目の組織を修復したり、涙の分泌を促したりする大切な時間です。

また、忙しいとつい手軽な食事で済ませてしまい、食生活が偏りがちになることも。

目の健康に良いとされるビタミンAやルテインといった栄養素が不足すると、目の機能が低下する可能性もあります。

特にルテインは、体内で作られないので、食事やサプリメントから補給することが大切です。

忙しいからこそ、体の内側からのケアも意識してみましょう。

あなたの目を守る！夜間モードと合わせて使いたい3つの対策

夜間モードだけでは目の疲れを完全に防ぐことはできません。

夜間モードを上手に使いながら、さらにいくつかの簡単な対策を組み合わせることで、目の疲れや肩こりを根本から改善し、快適な毎日を過ごせるようになります。

ここでは、忙しい在宅ワーカーのあなたが、今日からすぐに実践できる3つの対策をご紹介します。

① 「30分に1回」の休憩と目を温める習慣

最も簡単で効果的な目の疲れ対策は、こまめに目を休ませることです。

たとえばアメリカ眼科学会では、20分ごとに、20フィート（約6メートル）以上離れた場所を、20秒間じっと見る「20-20-20ルール」が推奨されています。

この方法により、目のピントを合わせる筋肉をリラックスさせることができます。

参考：近視の進行予防と治療｜医療法人社団 医新会

また、目の疲れを感じたら、蒸しタオルや市販のアイマスクで目を温めるのもおすすめです。

温めることで、目の周りの血行が良くなり、目の筋肉の緊張が和らぎ、疲れが楽になる効果が期待できます。

② パソコンの設定を見直す（画面の輝度やフォントサイズ）

夜間モードだけでなく、パソコンの基本的な設定も、目の疲れに大きく関係しています。

まず、画面の明るさ（輝度）を部屋の明るさに合わせて調整しましょう。

また、文字のフォントサイズを少し大きめに設定するのもおすすめです。

Windows 11では、「設定」の「アクセシビリティ」から「テキストのサイズ」を簡単に変更できます。

小さな工夫ですが、続けることで目の負担は大きく変わるはずです。

③ 目の疲れをケアするアイテムを取り入れる

根本的な対策に加えて、目の疲れをケアするアイテムを取り入れてみるのもおすすめです。

例えば、目の健康をサポートするサプリメントがあります。

ビタミンA、B群、ルテイン、アントシアニンなど、目の機能を助ける栄養素は、日々の食事だけでは不足しがちです。

また、ブルーライトから目を守るPCメガネもおすすめです。

日中の作業や夜間モードを使わないときでも、継続的にブルーライトをカットできますよ。

パソコンの夜間モードに関するよくある質問

パソコンの夜間モードに関するよくある質問をまとめました。

在宅仕事を快適にこなすためにも、ぜひ参考にしてください。

Q1:夜間モードにすると画面が見にくいって本当？

はい、見にくいと感じる可能性があります。

夜間モードは画面の色温度を暖色系にすることでブルーライトを減らしますが、この変化に目が慣れていないと、色味が不自然に感じたり、文字がぼやけて見えたりすることがあります。

特に、グラフィックデザインや写真編集など、正確な色を扱う作業では不向きです。

また、周囲の環境が明るい場所で夜間モードを使うと、画面が暗くなりすぎて、かえって目が疲れてしまうことも。

見にくいと感じる場合は、夜間モードの濃度を調整したり、環境光に合わせて画面の輝度を調整したりしてみましょう。

Q2:子どもの目のために夜間モードは設定した方がいい？

一般的に、子どもの目も大人と同様にブルーライトの影響を受けるため、就寝前の使用を考慮して夜間モードを設定するのは有効な対策の一つです。

子どもの目は発達段階にあり、大人以上に光の影響を受けやすいと言われています。

しかし、夜間モードだけでは目の疲れを完全に防ぐことはできません。

それよりも大切なのは、長時間の画面視聴を避け、定期的に休憩を取らせることです。

外で遊ぶ時間を確保したり、遠くの景色を見せたりする習慣をつけ、適切な距離で画面を見るよう促すことが、子どもの目の健康を守るうえで最も重要です。

Q3:夜間モードにすれば寝る前にスマホを見ても大丈夫になりますか？

夜間モードを設定すれば、ブルーライトの影響は軽減されますが、「見ても大丈夫」とは言い切れません。

ブルーライトは、睡眠を促すメラトニンの分泌を抑制するため、寝る前に浴びると入眠が妨げられる可能性があります。

夜間モードはこの影響を和らげる効果が期待できますが、画面を見続けること自体が脳を興奮させ、睡眠の質を下げてしまう可能性があります。

理想は、就寝1時間前にはすべてのデジタルデバイスの使用を控えることです。

夜間モードはあくまで補助的な対策として考え、質の良い睡眠のためには、デジタルデトックスを心がけることが大切です。

まとめ：夜間モードと賢く付き合い、目の疲れを根本から解決しよう

夜間モードはブルーライトを抑制する効果が期待できる一方で、使い方によっては画面が見にくくなり、かえって目に負担をかける可能性もあります。

目の疲れの本当の原因は、ブルーライトだけでなく、長時間の作業による目の筋肉の酷使、悪い姿勢、そして生活習慣の乱れなど、複合的な要因が関係しています。

夜間モードと合わせて、30分に1回の休憩や画面設定の見直し、そして目の健康をサポートするサプリメントやPCメガネなどのアイテムをうまく活用することが重要です。

夜間モードを上手に使いこなしながら、ご自身の生活にぴったりの方法を見つけて、心も体も軽やかなデジタルライフを送ってくださいね。